なぜガッツリ肉食なシュワツェネッガー氏までもが「週1ベジー」を推奨しているのでしょうか?(記事) 世界的に環境破壊が加速していて、その主な原因が動物性食品の生産にあるということが国連などのデータで明らかになってきたからです(図説)。
環境意識の高いデンマークでは、先日、肉に対して課税することを専門委員会が政府に提言しました。産業界からはすぐに反対意見が出たものの、このような機会に国民が事実を知ることは変化の第一歩となります。コンサル会社も同様の提言を行っているので併せてご紹介いたします。
今回の提言を行ったのはデンマーク政府の外郭団体 Council on Ethics(倫理理事会)で、温暖化防止のために赤身肉に対して環境税を課すという内容です。予想された反応ですが、農業推進を行う外郭団体 Agriculture and Food Council(農業理事会)は、税制の整備は大掛かりな割に益は少ないと即座に反撃。与党も産業界が怖いため、否定的な反応を示しました。
一方、食料・環境などのリスク分析を専門とするデンマークのシンクタンク Mandag Morgen も同様の提言を行っています(リンク; デンマーク語ですが自動翻訳にて一読の価値あり)。ベジーマンデー(リンク)のページをご覧頂いている方はすでにご存じかと思いますが、畜産の環境負荷について上記レポートから抜粋します:
会計事務所のビッグ4にして大手コンサルのKPMGも興味深いレポートを出しています。今後ビジネスを揺るがしうる大きな変化を180ページものレポートにまとめていて(リンク)、その中で環境コストへの対応も1つとしています。左図はそれに関して抜粋・加工したものです。
青色が主な産業の2010年の営業利益(正確にはEBITDA=減価償却前)で、赤色がそれらの産業が及ぼした環境破壊の推定コストです。金額でみると食品産業が最も高く、年間で2000億ドル(約21兆円)にもなります! これは今すぐ動かなければ、年々被害が大きくなるばかりです。
デンマークのみならず、この問題は世界全体で早急に取り組む必要があります。一方、デンマークは環境意識が高いものの、動物には優しくない国です。動物園が子供たちを前に、子供のキリンを解体してライオンに与えるショーを行ったことは記憶に新しいと思います。その後も今度はライオンの解体ショーも行いました(右写真はそのときの子供の反応; 米・トークショーが分かりやすくまとめています)。環境や健康とともに、動物の尊厳についても併せて考え直していく必要があると思います。