この夏、ヴェネツィア国際映画祭で、異例の10分にもおよぶスタンディングオベーションが起きた。上映されたのは、メル・ギブソン監督のハリウッド映画、『ハクソー・リッジ(Hacksaw Ridge)』 だ。
Ken が注目するのは、映画そのものよりもその扱いだ。我々は今、ヴィーガニズムの歴史の転換点を迎えたのかもしれない…。
この映画は、第二次世界大戦の英雄デズモンド・ドスを中心に、兵士が誰しも持つ「殺したくない心理」を描き出したものである。デズモンドは人を殺さないのだ。自ら志願して衛生兵となったが、バイオレンスを徹底的に拒否し、規律違反で軍法にかけられても「銃を持たない従軍」を押し通した信念の強い人物。彼はSDA(セブンスデーアドベンチスト)信者で、菜食者だ。
激しい沖縄の戦場で、銃弾が飛び交うなか武器を持たずに兵士を75人も救った。戦後、最高位の勲章である「名誉勲章」を受賞したが、人を殺さずに受賞したのは彼が唯一である。
大工の息子として生まれた彼は、世界恐慌で生活が苦しい親兄弟を助けるため中学卒業とともに働きに出ている。専門知識があったわけではない。やがて大戦が始まり、兵役免除を受けられる立場だったが、自分のような人間も必要と考えて志願することになる。仲間からひどい扱いを受けても非暴力で徹底していた。
余談としては、戦後直後に結核で死にかけて肺を片方切除したり障害者になったりもして厳しい人生を歩んだが、インタビュー映像からは明るい人物であることがわかる。変わり者のカタブツ人間ではない。晩年に自動車事故で妻を亡くしたのち2年後の74才になっても再婚したことも興味深い。
さて、映画に話を戻すと、これが評論家からも一般からも、かなり評価が高いのだ。菜食で人を殺さない人物が、ハリウッドの戦争映画のヒーローになれるというのは、かなり意外感がある。それが、美談にとどまるのではなく称賛となっている。
彼の生き方は、ヴィーガンの生き方である。限界な状況下でギリギリの選択をしながらも、菜食かつ非暴力を貫こうとする生き方だ。他人に自分の信条を押し付けることもしない。
そして、この映画は動物利用を巡る現状にもそのまま重なってくる。誰しも本心では、人も動物も苦しめたくないのだ。ヴィーガンな人間は「伝統的価値観」なるものに縛られずに、本心に従って生きているだけ。ほとんどの方はそれを実践できなくとも、人間本来の生き方をしているヴィーガンたちを受け入れる方向に、少しずつ進んでいる。LGBTQの社会的認知の次は、ヴィーガニズムの番だ!
ハリウッド映画というポピュラー・カルチャーの世界でこの映画が大きな称賛を受けたということは、ヴィーガニズムの歴史の転換点に来ているのではなかろうか。Kenはそのように思う。
2 件のコメント
Ime UgljeÅ¡a joÅ¡ nije uvedeno u spisak iako je gore jedan kolega već ukazao na njega ali ovdje se oÄigledno ne vodi previÅ¡e raÄuna o tome Å¡ta Älanovi piÅ¡u i preÅ#ad¾u&l8230;
素敵❗人間だからこそ、動物を犠牲にしないで生きて行ける!