ルクセンブルク政府が、画期的な動物保護法の導入を進めています。動物の扱いを根本から考え直すきっかけにもなる素晴らしい試みですので、ご紹介させて頂きます。
まず、世界の政府が明文化を避けてきた「産業動物の扱い」について、踏み込んだ解釈をしています。これまでも「動物福祉」の進展のなかで動物の苦痛の軽減が図られつつありますが、「尊厳」を認めるべきとした法律はありませんでした。その点で画期的です。
同法を担当する農業・葡萄栽培・消費者保護省 (HP) のフェルナン・エッチェン大臣(Fernand Etgen;写真右から2番目)の 5/6付プレスリリース での説明は、想いがこもっていて素晴らしいものです。今回、1983年に制定された現行法を改定するのですが、その必要性やポイントについてこのように語っています:
世界では年々、消費者の意識が高まり、動物に負荷の少ない動物性食品に切り替える動きが加速しています。各国の法律でも「動物福祉」が強化されつつあります。しかし、「産業動物全ての否定・禁止」につながりかねない尊厳論は避けられてきました。よくぞそこまで言った!という感じですね。
本法案でも、畜産をすべて禁止とまではいきませんが、それでも最も倫理的に問題のあるものから手を付けています。産業界からの反発を最小限にしてまずは導入することで、国民がこの問題を考えるきっかけとなります。改正のポイントはこちら:
罰則も大幅に強化されています。これまでは最大5000ユーロ・懲役6ヵ月まででしたが、改正案では、迅速に行える行政処分(25~250ユーロの罰金や、オーナーからの虐待動物の取り上げ)が追加になったうえで、刑事罰が強化(251~20万ユーロの罰金、懲役8日~3年、2年内の再犯は最大2倍に)されています。
法律の名称も、趣旨に沿って変更されています。現行法「動物の生命と健康の保護を確保するための1983年3月15日閣法」(リンク; “Loi du 15 mars 1983 ayant pour objet d’assurer la protection de la vie et le bien-être des animaux” )に対して、改正法は「動物の尊厳および生命・安全・健康の保護を確保するための閣法」(”Projet de loi ayant pour objet d’assurer la dignité, la protection de la vie, la sécurité et le bien-être des animaux”)となりました。
同法の策定にあたっては、動物愛護団体 “Privaten Déiereschutz asbl.”(リンク) などの協力も受けています。
ルクセンブルクは、ご存じの通り欧州のなかの小国です。人口は日本の都道府県の最小である鳥取県(60万人)より少ない50万人。面積も都道府県の下位に相当。とは言っても1人あたりGDPが高く、裕福な国です。ぜひ導入を確実にして頂き、世界的に「動物の尊厳」についての議論が活発化することを期待します!
11 件のコメント
日本も変わってほしいです。同じ生きている。という事。
遅れてる日本も、見習うべき!!
動物達の苦痛を減らせる政治に大賛成!
素晴らしい決断ですね。
こんなこと当たり前なのにどうして日本は出来ないのですかね。私考えます
この法案にはとても同感できます! 世界中で動物達への残酷な仕打ちが無くなることを祈っています!
ルクセンブルクのような動物に関して常識ある国に住みたく思います。日本はどうにも気持ち悪い。
世界中がこんな風になれば、地球は本当の意味で、素敵な「オアシス」になる❤日本も是非!!ルクセンブルクを見習って、こんな国にしたいです。政治家達に、動物達の福祉についてや、アニマルライツについて、もっともっと真剣に考えてもらい、法律を改正してもらうしかないですね。
日本は本当に愚か!政治家は自分の身を守る事しか考えてない!どうしたらその考えを改める事ができるのか。この法律、日本もそのまま取り入れるべき!
愚かなヒト科の猿どもを皆殺しにした方が殺される動物をより速やかに守れますよ
日本も見習って欲しい!